驚きは何に値するか?

2011.01.18 1:07
 相当むかしの話ではあるのですが、今はすでに亡くなった祖父にテレビや冷蔵庫、洗濯機といった電化製品が出回ったころの驚きの気持ちを尋ねたことがある。結果は、「?」という感じだったを今でも覚えています。つまりたいした驚きがなかったということになります。祖父が働き盛りだったころの冷蔵庫といえば木製の箱型の扉棚の中に毎朝やってくる氷売りから一塊の氷を購入しその中に入れて一日の冷蔵をするというものでした。テレビはなくラジオが主流でドラマや物語といった文化的なものまでそのラジオという媒体を使って社会が成り立っていたわけです。洗濯は専ら桶と洗濯板です。そういう環境の中で8人の子供を育てたというのは今考えるとすごいことです。(長女と長男を幼いころに亡くしてはいますが...。)
 ということで、その時代に関してもそれほどの驚きはないということと、殊戦争に関しても私の祖父はそれほどの感慨をもっていませんでした。大東亜戦争時代の話は実に悲しい反省すべきものではなく実に楽しそうな国際社会の様子を語っていたし、何となく意気揚々とした熱いエネルギーを感じました。そんなわけで、我々の時代にも実に驚きに値する科学技術や文化が目の前にあるのですが、祖父同様に大して驚かないというのが本当のところです。
 まずもっと驚いていいのは、最小化された記憶媒体ですよ。小指程度の16GBの媒体っていうのはちょっとおかしいってぐらいに思っておいた方がいいと思うのです。シリコンによる電化圧を調整することで記憶媒体として成り立っていますが数年もしないうちにダメになるってことも覚えておきましょう。大切な音楽なんかをUSBメモリなんかにいれておいたら自然に消えます。(理論上は消えます。)金属媒体の磁石を応用したHDDだったら保存状態がよければ数十年は記憶機能が持続しますが、それでもエジプトの石版に比べら雲泥の差です。しかしながらその記憶容量と小ささという意味では十分驚くべきことです。そういう意味での最小化で最大の性能といった意味での最先端の研究は、世界一小さくて薄い液晶テレビの科学技術的な基礎という意味ではすでに実現しているという驚きの事実です。
 http://www.nikkeibp.co.jp/archives/345/345824.html

 この研究と平行して行われているのが電子基板(パソコン分解したら出てくるマザーボードとかグラボ、つまりあの緑色の板に回路やコンデンサがくっついているあの基盤です。)が薄っぺらいちり紙程度の基盤に印刷することが可能になってきました。もうペラペラです。我々が学生時代に使用してた下敷き程度のテレビなんかはもう製造可能な状態になっているようですが、何せ技術的な基礎情報が整っても大量生産と商品化に至るまでにはこれまた時間がかかるらしく現在一枚のペラペラテレビを製造するのに数億円のコストがかかるそうです。日本のいろいろなメーカーに「こんなすごい技術があるんだぜ、買わないか?」と文部科学省が押し売りにいっても知らん顔されるそうです。実際に日本の技術は本当に進みすぎていて全く世界の皆様も相手にしてくれない上に国内の企業も相手にしてくれない始末なのです。
 しかしながら進みすぎている(いったい何につかっていいのかわからない技術)というものがある時点でかなりの驚きだと私は思うわけです。
 
 こう考えてみると、この最小化と最高品質、高機能というのは何に似せているのかというと私自身はどうやら人間の器官に似せているのはないだろうかと考えます。そのうち最小型補聴器が耳に直接埋め込まれ、角膜を直接操作するメカニズムが考え出され、心臓は止まっても紫外線太陽光で夜も発電する電子ポンプでもう安心、足がなくなっても末端神経から情報を読み取って普通に歩ける(むしろ以前より力がある)ということになって、「実は私60%が機械です。」なんて時代はもうすぐそこに来ているのではないかと考えるのです。
女性ロボット.jpg しがないプログラマーとして考えてみても、これはえらいことになったぞと。ちょっと考えただけでも戸川純の「バーバラセクサロイド」ということになってくるだろうし、オナホールだってよくよく考えると相当に変質的だし、開発中のヒューマノイドが禿げたオヤジではなくかわいい女の子というところが非常に気にかかる部分でもあります。ダッチワイフはいわゆるヒューマノイドのプロトタイプなんじゃないかと思うと複雑な心境にもなります。
 たぶん間違いなく人間型を想定した研究の進化だと私は考えています。
 
 そういう文脈での人間型に様々な機能を付け加えたSF物語は比較的たくさんあります。何もエヴァンゲリオンだけが人間の深層心理と関連したSFではなくスペースコブラだって「サイコガン」というサイコをエネルギー源として奇妙な武器を体に組み込んでいましたし、鉄腕アトムは足の裏がロケットバーナーでした。間違いなく核分裂だか核融合エネルギーじゃないとあの体から10万馬力の力は出ないでしょう。ガンダムのあのロボット群は実はロボットではありません。宇宙服です。モビル「スーツ」といわれるスーツなわけでして、いわゆる宇宙作業用の宇宙服です。
 我々が目指す事物は非常に理工学的であり、かなり綿密な設計と研究、難しい数式をこねくり回した難しい積層構造をしていますが、目指す部分というのは、ハリウッド映画同様、かわいい女とマッチョな男なんていう発想が単純すぎて耐えられないです。つまるところそういうところなのではないかと推測し本当に息がつまってしまいました。
 





プロフィール



  • Name :: 山上オサム ♂(39)
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