日本の位置と歴史

2011.06.12 0:23
 本日友人から聞いた話なのですが、結構おもしろい話がありました。実際問題として経済とか貿易とかマーケティングとかそういう部類のお話では個々の細かい分断化された事象を何となく都合のいいように並べて組み替えてみると意外と説得力のある話になってしまったりする中で、どれが本当でどれが嘘かということがわからなくなるといった情報の中で唯一信用できるのが、いわゆる「地理」なわけです。例えばの話ですが、プサン(韓国)と福岡の間には正真正銘「海」があり、その距離も決まっていてその気候の周期もだいたい決まっているわけです。ここにはある意味では詭弁がなかなか通用しない。それらの物理的な問題や障害、またはそれによって生まれる因果関係は自ずときまってくるし、あるいは、その障害を乗り越えるにはかなり大きな資本の中での飛び抜けたテクノロジーであったりある種の革命的な発明がないとそれらは全く変わることなく障害や問題として横たわることになるわけです。古代において帆船で貿易をしていた時代と現代のように飛行機やディーゼル船で簡単に行き来できるのとでは経済的な物資の周り方のスピード感も量も全く違うわけです。そのような意味では地理とか立地条件は、かなり大きな意味を持つことになります。何せその部分に関しては歴とした事実としてそこに存在するからです。
japan_north.jpg 我々が見慣れている地図ですが、日本の場所はいつもの場所にあります。当然そこに横たわっているわけです。海溝に面したかなり危うい場所に日本はあるわけでして、南側はすっぽりと広い海になっているのです。しかしこの日本の位置というのはアジアではかなり特異な位置にあります。
japan_over.jpg
 しかし逆さにしてみると日本列島という東北から西南に流れる細長い国が東アジアの位置として最上にあって、しかも大きな中国大陸をすっぽりと覆った蓋をしているような形になっていることに気がつくはずです。この立地は正に中国という大国を覆った蓋であり、太平洋に向かって広がるすべての力を日本が制覇しているのがわかります。中国は上部は日本に蓋をされ、左側はシベリアという極寒に阻まれ、下部は砂漠とチベット山脈、右側はベトナム、ミャンマー、ラオスに阻まれています。
 これは歴史的に見てもかなり筋の通る立地であるのが、地図を反転させるだけでわかるんです。
 まず日本が大東亜帝国とか何とかいいつつ太平洋に進出していった歴史があります。しかしどうして中国や韓国、その他の東アジア諸国がそれをしなかったのかというのは、経済的条件乃至技術的な条件よりもむしろ日本のこの地理的な条件が非常に効果的だったからだと思っても仕方がないくらい条件が揃っているんです。これは当時の中国の進出(とはいってもアヘン戦争やイギリスの植民地化、あるいは革命などで国内は混乱を極めていたわけですが...)を完全に封鎖しながら南へ(地図では右側へ)戦線を広げてゆくことができます。そしてむしろ逆に言えば、戦線は南側(右側)でしか起こりえない立地条件になっています。というのは、先に述べた通り、シベリア、砂漠、チベット山脈に完全に3方を封鎖された中国は南へゆくしかないのです。現にその後の歴史ではベトナム戦争においては中国ロシアVSアメリカ日本という構図で行われました。
 この蓋で覆ったような立地条件という戦略は日本が意識的に行ったことなのかどうなのかはわかりませんが、そもそもはサハリン(樺太)、北方四島とカムチャッカ半島という部分で左側からの包囲網を敷き、北海道から本土にかけてはシベリア、朝鮮半島を完全に封じ込めています。更に九州から沖縄、奄美大島などの東シナ海に浮かぶ島々をつないで台湾に至る部分では中国の海岸を完全に抑えている。この構図はちょっと客観的に見ると驚きに値しますよ。これでは他の東アジア諸国は何もできないんです。太平洋の海産資源は自ずと日本のモノになってきます。そうした時に日本が完全に抑えたい部分は、ベトナム、ビルマ(ミャンマー)というのは当然のことです。当時の第二次世界大戦時末期においては南戦線が悲惨を極めたのは、日本の進出を許さない連合軍と何としても包囲網の末端を抑えたい日本、今後当然流出してくるだろう中国の勢力という...もうむちゃくちゃな領域がマレー半島ということになります。南で豊かにマンゴーを食っていた住民にとってはえらいことになったもんだと。太平洋戦争が別名「バナナ戦争」といわれた所以はここにあって、客観的にみるとみんなバナナを欲しがって戦っているように見えるわけです。
 そもそも東西南北などというものは人間が考えた便宜的な形式であって地図は逆さにみようが何をしようがどうでもいいわけでして、逆さにしただけでこれだけいろんなことがわかるというのもかなり目からウロコです。
 中国が西遊記において、西へ西へと冒険したという歴史は最終的には天竺を目指す宗教的なお話ですが、事実としてはシルクロードという多大な貿易インフラを構築したわけでして、これは日本列島の蓋、シベリアの極寒、チベット山脈というもう人間の力が及ばない領域から洩れた唯一の空気穴だったんじゃないかと思われるほど中国にとっては非常に大切なライフラインだったんじゃないかと思います。(天竺から先はまた砂漠なんですけどね。。。頑張ればトルコまで行けます。)
 しかし、太平洋戦争において日本が意図したその太平洋を囲みつつ、中国やロシアという大国を抑え、自分の領土を拡大していったという歴史は、これ本当に囲碁の世界観でして正に日本的といえるかもしれないなぁとつくづく思います。正に布石。
カムチャッカ半島、シベリア、サハリン(樺太)、韓国、北海道、本土、九州、沖縄、台湾、ビルマ、フィリピン、マレーシア、インドネシア...とつなげると、「ああ、これは!」というという得体のしれない感覚になります。
japan_all.jpg

 







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